安物レンズ★試写

D100で星野撮影をするために購入したレンズをまとめて試写しました。
いずれもEDやSDなどの異常分散ガラスを使用していないノーマルなレンズで、価格も1万円前後の
安価なレンズです。銀塩と違って針でつついたような星像は求めていませんので、味のある
写りになってくれたら満足です。欲を言えば画像端の収差が少なければ満点です。

撮影は長野県の八千穂高原で11月1日の夜におこないました。
当日はうす雲が時々流れる空で、撮影した画像にもうす雲が写っているものがあります。

試写したレンズは次の4本です。

コシナ24o F2.8
シグマ28o F1.8 アスフェリカルU
ニッコール50o F1.4(非Ai)
ニコン シリーズE 100o F2.8

いずれも感度は640、露出時間は2分でノイズリダクションはオフにしました。
載せた画像はトリミングなしで掲載していますが、、HPに載せるため解像度を1/18に圧縮しています。
そのため微光星がだいぶ消えてしまっています。

コシナ24o F2.8開放

カシオペアからペルセウス座までの天の川を撮影しました。
この付近には赤い星雲が散在していますが残念ながら写りませんでした。上左にM31が入りました。
このレンズは少し前に購入してから何回か使っていますが、改めてレンズの優秀さに感心してしまいます。
絞り開放でも画像端まで星像は円形で、最端で少しいびつになる程度です。


プレアデス星団からオリオン座付近です。途中うす雲が通過してしまいました。
オリオン星雲は真っ白に飛んでいます。ベテルギュースとアルデバランが赤っぽく写っているので、
飽和はしていないと思うのですが、やはりHα光はだめです。


オリオンから大犬座付近です。途中で濃い目の雲が通過しました。
オリオンの左にある天の川が良く写っていますが、バーナードループは写りません。

シグマ28o アスフェリカルUF1.8開放

コシナと同じくカシオペアからペルセウス座までの天の川を撮影しました。
このレンズ、はっきり言って星用には×です。画像中心部から2/3より外側に、視野が回転したような
同心円の収差が出ます。絞ってもやや改善はされるものの傾向は同じです。
Fが明るいので流星撮影用に購入しましたが、残念ながら使えません。

ニッコール50o F1.4開放→F2.8

Ai以前のオートニッコールと呼ばれているレンズです。絞り開放だと作例のように輝星がボテボテになって
しまいます。微光星はそれなりに写っているし周辺部の星像も良いようなので、絞れば使えそうです。
さすがにFが明るいだけのことはあって、写りにくい赤色のカリフォルニア星雲が淡く写りました。


絞りを2.8まで絞って撮ったヒアデス星団とプレアデス星団です。
さすがにここまで絞ると良い星像になります。画像周辺まで文句なしに点像です。
周辺減光もなくなりSN比の良い画像になります。


ぎょしゃ座の全景写真です。35ミリ換算で75ミリ相当になりますので、星座の撮影にはちょうど
良い大きさになります。天の川に点在する散開星団がかなり写り込んでいますが、
作例では画像を圧縮しているので埋もれてしまって見えません。


オリオン座の全景写真です。オリオン星雲をはじめとする赤い星雲が多く存在するところですが、
ほとんど写っていません。元画像では馬頭星雲が薄っすらと写っています。

ニコン シリーズE 100o F2.8

このレンズはニコンEM用に発売された廉価版のレンズで、プラスチック胴鏡を用いたり、レンズの
構成枚数を減らすなどして小型・軽量化したレンズ群のひとつです。そのため非常に軽くて
大きさも大変コンパクトです。ニッコールの105ミリあたりと比べるとずいぶん短くて取り回しが便利です。
肝心の星像ですが、視野の半分くらいから輝星に色のにじみが目立ちます。
特に青緑色のにじみが強く、色消し状態が良くないようです。絞っての試写をしていないので、
絞り込んだらどうなるかわかりません。周辺像は良いので機会があればテストしてみたいと
思います。


ヒアデス星団の写真です。微光星の写りは良いようです。星の周りに青緑色のハロが出るので
星座の形を見るのには良い感じです。


プレアデス星団です。この星団のように青色系の星雲は良く写ります。
星像が肥大していますが、絞り込むと締まってくると思います。

おまけ

コシナ24o F2.8開放

立ち上がった北斗七星です。低空にもやが掛かっていて光害がきつめでした。


八千穂高原の日の出です。真ん中よりやや左に御座山が見えます。

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